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2015-05-09 到着予定時刻

前回から続く。

ホームにある掲示物の情報を追加、補足するようなアプリにしよう、とは決めたものの、では、どんな情報を追加、補足するのか、ということが問題でした。

必要とされているのに、既存のシステムで提供されていない情報がないか。スマホだからこそ、このオープンデータのAPIだからこそ、提供できる情報が。

と、うんうん唸って気づいたもの。それが、目的地への「到着予定時刻」でした。自分の目的とする駅にいつ着くのか、ということです。


掲示物という方法で、到着予定時刻を伝えるのは難しいのです。

まず、ホームに置く掲示物という性質上、あらゆる人が見て役に立つような情報を載せる必要があります。ホームにいる多くの人は、それぞれ目的とする駅が違います。それら各駅の到着予定時刻を示さなければなりません。

また、列車は次から次へとやってきます。当然ですが、同じ目的地であっても列車によって到着予定時刻は異なります。これらをすべて示さなければ到着予定時刻を知らせたことになりません。到着予定時刻は、表示すべきパターンが多すぎて、掲示物で伝えることが難しい情報なのです。

現実的な解として、ホームには「所要時間一覧表」というものがあります。今の駅から先の駅への所要時間が示されています。路線図と一緒になっている場合が多いです。ホームにいる人が目的地の到着予定時刻を知るには、まず自分が乗ろうとする列車の出発時刻を調べ、それにこの所要時間を足して計算する必要があります。

つまり、目的の駅に何時何分に着くかという情報は、既存のシステムでは直接に提供されていない、あるいは知るために手間がかかる、そんな情報なのです。

乗り換え検索ではもちろん到着予定時刻を知ることができます。ですが、そのためには再びヒトからサルに戻り、目的地となる駅を入力しなければなりません。私ならその段階で到着予定時刻を知ろうとすることを諦めてしまいます。


表示すべきパターンが多すぎて、掲示物で伝えるのが難しい情報。さらに既存のアプリであっても提供するのにひと手間がかかる情報。それをより簡単に簡便に伝える。

このコンテストに応募するアプリの形がやっと見えてきました。

到着予定時刻「だけ」を表示するのでは、なんだかよく分からないアプリになってしまう。行先表示板や路線図が遠くて見えない、ホーム内を探しに行くのが面倒、改札の外でも情報が欲しい、という場合に応えるため、これらの情報も合わせて表示し、わかるようにしました。

また、前々回に書いたように、目的駅を入力しないアプリにしようと決めたので、停まる可能性のあるすべての駅の到着予定時刻を表示するようにしました。結果として、より掲示物に近い感じになりました。

こうしてできたのが、ココメトロの路線図の画面です。

実は、ココメトロは到着予定時刻をお知らせするアプリなのです。こんなこと、普通に言ったのでは絶対に伝わらないと思ったので、「時刻表アプリ」と銘打っていますが。

次回へ続く


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