前回から続く
電車のスマホアプリで、乗り換え検索でないものを探していたわけですが、そもそも乗り換え検索が世に現れる前から、電車は走っていたわけです。わたしだって、電車に乗る前に毎回必ず乗り換え検索を使うわけではありません。
列車の種類と行先を見ることで、次に来る列車が目的の駅に停まるかが分かります。つまり、自分が乗るべき列車かどうかが分かります。さらに出発時刻を見ることで、あと何分ここで待てば列車に乗れるのか分かります。
従来:少し首を振って行先表示板を見て、さらに少し頭を使って路線図を思い出し、この列車に乗ろうと決める。
新しい:スマホの小さい画面をのぞき込み、サルのように苦心して文字を打ち込み、表示された結果に1から10まで従って、列車に乗る。
後者の方が、より間違いなく効率的に移動できるでしょうが、前者の方がヒトとして、ずっと高度で難しい情報処理・判断をしています。 また、ハタ目から見て、イライラしながら猫背でスマホに向き合っている姿は、とても「スマート」には見えないことでしょう。
・・・という結論では、困るのです。賞金が。無理矢理でもスマホを使わないといけないのです。いや、無理矢理使わなくちゃいけないようなアプリなら作りたくないなぁ。スマホありき、というところがなんだかスマートじゃない。使ってもいいし、使わなくてもいい、といったそんなアプリがいいな。
などと、こういった思考を経て、これから作ろうとするスマホアプリの目指すものが、既存の乗り換え検索ではない、ということは確かになりました。
むしろ、「スマートフォン」「乗り換え検索」出現よりも前からあった、「スマート」な情報提供手段、すなわちホームにある掲示物や看板の情報を追加、補足するようなアプローチのアプリにしよう、と思いました。こういうアプリならば、使う人はまず行先表示板を見て、もうちょっと情報が欲しいというときに初めてスマホが出てくる、といったことになります。